幕間――メタトロンの真実 4
「望むところです!」
「良い返事だ」
「ところで、高次元の神よ。名前をお伺いしても?」
メタトロンが訊いた。
毎回、高次元の神と呼ぶには、仰々しいと感じたのだ。
「そうだね。高次元の神って呼びにくいから、僕が地球に干渉してた時の名で、呼んでもらおうか」
「地球の神であった時の名ですか?」
「便宜上、クロノスと呼びたまえ」
「クロノス――確か、ギリシャ神話の時を司る神の名でしたか?」
「そうだね。時や死や、人間に多大な影響を与える概念をコントロールする役割りが、僕だったね。おっと、君の試練を忘れていたよ。約千年振りの挑戦だからね」
「その者は、成功したのでしょうか?」
「失敗だね。暗黒竜、クロウ・クルワッハになって、僕が殺した。そのおかげで、僕の肉体のほとんどは消滅し、精神生命体として機能するだけの存在になってしまったよ」
自嘲するクロノスの声に、メタトロンは悲しみを感じていた。
「おっと、暗い話になってしまったね。気を取り直して、試練を始めよう」
雪が降る山岳地帯に、一頭のマンモスの姿があった。
周囲は毛皮をまとった原人らしき者たちが、集団で取り囲んでいる。手には石を穂先にした槍などを持った男衆が、落とし穴に誘い込み、数分後にはマンモスは絶命した。
「見たかい、メタトロン。今、死んだのは地上に生きる最後のマンモスだ。人間は、軽々しく一つの種を絶滅させてしまった。本当に絶滅するべきは、人間の方じゃないかな?」
後で、書き足す予定です。
肩が痛いし、重い。
これが本当の 肩重い(笑)




