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竜虎の下剋上 2

 

 サタンの爆弾発言に会場がざわついた。

 魔界には、決闘というシステムがあり、名誉や序列、あるいは欲しい物を賭けて戦う力の法だ。

 強い者が生き残り、弱い者が死ぬ――魔界の摂理である。

 複数の下級悪魔が、上位の魔神に挑むこともあるが基本は、一対一が通常だ。

 その決闘を魔界のカリスマが全面的に認めたのだ。元々、悪魔同士は不仲であることが多いので決闘も度々行なわれる。だが、下剋上を目指す者は確実に相手を殺さなければならないので、決闘を忌避する者も多かった。

 魔界の後継者の魅力に惹かれる者も少なからずいる。それがバールゼフォンとベルゼビュートだ。二人はライバル同士で、良くバールゼフォンが竜、ベルゼビュートが虎に称されるのだった。

 今まではサタンという強大なカリスマが、諍いの抑止力であったが、逆にこれはチャンスでもある。いけ好かない上位悪魔を暗殺し、主と仰ぐ魔神に取り入ったり、毒殺することも可能なのでは、と考える悪魔も多数、存在した。何しろ、決闘に対しての具体的な案が示されておらず、サタン自身も殺し合えと宣言しているのだ。


「面白ぇ」


 ヒュン!


 ベルゼビュートが側にいた悪魔の首を、手刀で斬り飛ばしたのを皮切りに、そこかしこで血で血を洗う争いが繰り広げられる。


「どうやら、第一ラウンド開始と言った所か」


 ニヤリと笑いながら、バールゼフォンが魔剣を振るう。

 テュルフィングは呪いによって、血を吸う度に斬れ味が強化される魔剣である。

 バールゼフォンは一つ目のサイクロプスの悪魔を、一刀両断する。

 すぐさま背後に殺気を感じた彼は、魔剣テュルフィングを一閃し、周囲は下級悪魔十数名の死体が量産される。この期に格上の悪魔を、集団で押さえ込む作戦だったが、実力が違い過ぎて相手にもならないのだった。

 二匹の修羅が振るう剣と爪が、大量の悪魔の死体を量産して行く。

 まさしく、魔界は下剋上の世界であった。










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