幕間――導かれるままに……5
「とりあえず、ここから離れよう。麗子――君は、戦えるか?」
クー・フーリンが訊いた。
迷い人は果たして、自分を守れるほどの戦闘力を持ち合わせているのか。
(戦う!? あの、ブタ人間みたいな奴と?)
「無理! か弱いなんて言わないけど、相手が悪すぎる」
麗子は、両手でバッテンを作る。
「そうか。いや、良いんだ。とりあえず、君を保護するけど、私たちも何分、迷い人は初めてのことでね」
「一時的に影の国のお婆に預かってもらうのは、どうだろう!」
エディンが提案する。
すかさず麗子が、
「そうだよ。その影なんちゃらから、魔女のババアに送ってもらったんだけど、気づいたらここに居たんだよ!」
その言葉を聴いたハイエルフ二人は、顔を見合わせた。
「迷い人ではなく、招かれし者とはな!?」
「麗子――お主はどうやら、この世界に喚ばれたらしい。ロビアタールのお婆も、この世界に喚ばれた存在――つまり、お主の先輩に当たるな」
「えええぇ!?」
(あの婆さんも、あたいが居た場所から来ただって!?)
「まずは、お婆の元へ行こう。話は、それからだ」
エディンはゲイ・ボルグを一振りすると、地面に穂先で魔法陣を描いて行く。
降下の魔法陣である。
ロビアタールの住む洞窟にすっと、身体が落下する感覚が襲う。
三人は立ったまま、フリーフォールに乗った感じを味わった。
目の前には、魔道師のロープを着たロビアタールが居た。
麗子は魔女を妙に感じた。
何かが変だ。
それは初めて会った時から、感じていたことだった。
「ほっほっ、その様子だと、やはり人間界には辿り着けなかったようだね」
麗子は、カチンと来た。
ロビアタールは辿り着けないと知ってて、麗子を地上に還そうとしたのだ。
「ババア――てめぇ、ふざけんじゃ……」
麗子がロビアタールの胸ぐらをつかむと、違和感の正体に気づいた。
「ぎゃあああぁ!!」
何と、魔道師のロープには中身がなく、ロビアタールの生首が宙に浮いていたのだった!
すいません。ひどく疲れて更新できませんでした。
あと、会社の人と口論になって、少しささくれだってます。
癒やしに、スティングの孤独なダンスを
聴いてました。
人間、なめられちゃいけない時があるのですよ。




