幕間――導かれるままに……2
(早く、京子を見つけ出さないと――)
たった一人の、大切な友達。
今、どこで何をしているのか。
誘拐されたのか。
失踪したのか。
それすら、わからない。
食事や水分は、取っているのか。
心配で、たまらない。
どういうわけか、不思議な婆さんのいる洞窟へと入り込んでしまった。
「ろび何だって? 婆さん、一体、何者なんだい!?」
「魔女ロビアタールさ」
「魔女って、あのホウキに乗って空飛ぶ?」
(この婆さん、ボケが始まってやがる!)
「ちなみに、ボケちゃないからね。正真正銘の魔女さ」
麗子の心を見透かすように、ロビアタール。
「あんたみたいなタイプは、見た物しか信じないだろうから、送還の魔法を見せてやろうかね」
その通り。麗子は幽霊も、宇宙人も実際に見た物しか信じない。
ロビアタールの唇から、送還のルーン魔法が紡がれる。
「〈オースィラ・イングル・ペルス・イエーラ〉!」
白銀の魔法陣が起動し、麗子の足元が光り輝く。
「おおおっ! 本当に、魔法なのかっ!?」
「これで、地上に戻れるはずさ」
「ありがてぇ。恩に着るよ、婆さん」
「探し人に会えると良いのぅ」
麗子の身体を浮遊感が襲い、影の国から存在が消えた。
麗子が目を覚ますと、そこは広大な草原であった。
遠くに天幕が見える。
周囲を見回すと、簡素な鎧を着た豚人間が槍を持って巡回している所であった。
(あのババァ、失敗しやがったな!)
「ちっ! また、変なとこに迷い込んじまった」
舌打ちする麗子。
その彼女に目をつけた豚の頭部を持つ、二足歩行の生物が近づいてくる。麗子は知りようがなかったが、ティル・ナ・ノーグではオークと呼ぶ魔物だった。
直感的に麗子は、逃げなければならないと思った。
戦うという選択肢はない。
体が違い過ぎる。相手はニメートルを超す、リアル着ぐるみ男だ。しかも、手には槍を持っている。
(豚をぶっ叩く選択肢はねぇな。だとしたら、トンズラこくっきゃねぇ!)
麗子は逃げ出した。
土地勘はないが、オークに捕まるという事態は絶対に避けたかった。
血走った目で、よだれをたらしながら追いかけてくる豚人間が気味悪かったのだ。捕まれば、碌なことにならないたろう。
麗子の方が体重が軽い分、有利だがオークもスタミナに任せて、執拗に彼女を追い回す。
段々、麗子の息が上がり、オークとの差が縮まってくる。
その時、麗子の身体が宙に舞った!
地面から露出していた石に、足を引っかけたのだ。
もんどり打って、地面に倒れる麗子。
急いで起き上がろうとする彼女に、オークの放つ槍の一撃が襲う――
目を閉じる麗子。
(最後に、京子に会いたかったな……)
麗子の身体を貫くはずだった槍は、一向に届かない。
不思議に思って、麗子が目を開けると、
「運が良かったな。女王直々に、偵察に来るなぞ、珍しいことなのだぞ」
何と、麗子を襲撃しようとしたオークの心臓にエディンの放ったゲイ・ボルグの穂先が突き出ていた。
崩れ落ちるオークの背後に、麗子は美貌のハイエルフの姿を見たのだった。
すいません。仕事疲れの上、右手がしびれてて更新遅くなりました。
m(_ _)m
今日は、秦基博 の ひまわりの約束
聴いてました。
ひまわり!! って、忍者の女の子のアニメが
あるんすけど、 その ぐるぐる って曲の
ひまわりバージョンが良いです。




