幕間――導かれるままに……
不良どもを置き去りにしてきた麗子は、件の工事現場を訪れていた。
原付を入口近くに乗り捨て、麗子は何かに導かれるようにやって来た。
薄っぺらい学生カバンには鉄板が仕込んであり、黒猫のキーホルダーと赤いペイズリー柄のスカーフがつけられていた。
暴漢対策はバッチリだ。
(京子は、あたいが絶対に探し出す!)
京子は恩人だ。
小学四年生くらいの頃、麗子はアル中の父親に暴力を受けていた。ある日、京子を連れて家に行った時、運悪く父親がいた時間帯に遭遇し、殴られかけたが京子が間に入り、盾となって彼女を守った。その日、麗子の心の奥底に勇気の炎が灯った。それから、ほどなくして父親が亡くなり、麗子は母方の祖父母に引き取られた。麗子はグレてしまったが、弱い者いじめなどの行為は一切しない。逆に後輩をいじめから庇う内に、姉御と慕われるようになり、現在に至る。
(どこにいようが見つけ出してやる。今度は、あたいが京子を守る!)
ふいに、麗子の足元の地面が琥珀色に輝いた。
一人の少女の想いが、ティル・ナ・ノーグへの道を開いたのだった。
浮遊しながら落下する感覚が麗子を襲う。
ドサッと音を立てて、麗子は地面に妙な体勢で着地した。
「痛ってぇ、どこだ、ここ!?」
起き上がり、周囲を観察する。
どうやら、洞窟の中のようだ。
闇の中から、麗子の疑問に声が応える。
「ここは、影の国。妖精界の地下さね」
薄暗い洞窟に浮かび上がったのは、一人の老婆だった。
「どこでも良いけど、早くあたいを元の場所に戻せよっ!」
憤慨する麗子。
「人間界からの迷い人かい。珍しいねぇ。退屈しのぎに、向こうの話を聞かせておくれでないかい」
「あたいは、ダチを探しに来ただけだっ!」
「探し人かい? まぁ、見つかる運命なら、すぐ会えるだろうさ」
「とにかく、戻せったら!」
「せっかちな娘だねぇ。喚んだのは私じゃないけど、戻すくらいは、このロビアタールがやってあげようじゃないか」
後で、書き足す予定。
まだ、ご飯も食べてない。
何か、腹に入れないとm(_ _)m
気分は、踊るポンポコリン!
お腹が……よ〜(笑)




