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友達をバカにされたら、ブチ切れても仕方ないよね?

 

 そして、舞台は地上に戻る。



 京子が失踪してから、一週間が経過していた。ティル・ナ・ノーグと地上では、時間の流れ方が違うのだ。

 放課後――夜神麗子は、聖城学園高等部の屋上校舎で、煙草をふかしていた。貯水タンクの影が麗子のお気に入りスポットだ。


「京子――あんた一体、どこに行っちまったんだい?」


 まさか、探している京子が妖精界に居るなどと、誰が知り得ただろうか。

 すでに、レディースの後輩たちにも京子を探してもらっている。

 かすかな目撃情報だけだが、とりあえず現地に出向いてみなければ、わからないこともあるだろう。

 おそらく、何らかのトラブルに巻き込まれたはずだ。でなくば、これほど長い間、麗子に連絡しないわけがない。

 奇妙なのが、京子の母親が娘の存在を忘れていたことだ。

 京子の記憶が、何者も存在しなかったように、すっかり抜け落ちているのだ。まるで、最初からそこに居なかったかのように。

 麗子自身も記憶が半分、薄れている。だが、半分は覚えている。京子と関わりが少ない人物ほど、彼女のことを思い出せない。不思議と麗子が絡むと記憶を覚えている者も多かった。

 秋風が身にしみる。

 今頃、京子はどこで何をしているのか。

 夕日が校舎を赤く、染めて行く。

 景色は最高なのに、京子がいないだけで世界が色褪せてしまう。

 今日は彼女の目撃情報が多い、工事現場近くまで足を運んでみようか。

 ふいに、屋上のドアが開けられ、数人の男子生徒が入ってきた。


「ちっ! 客人か」


 この時間帯は滅多に人が来ないので、麗子は安心していたのだ。

 煙草をすぐさま揉み消す麗子。

 もっと、京子失踪事件を煮つめたかったのだが。

 とりあえず、様子見で男子生徒らの動向を見守る。

 すると、貯水タンク近くまで男子生徒らが寄って来ていた。幸い、麗子には気づいてないようだ。


「さて、どうすっかな?」









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