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冒険者ルーク 172
リジルの右手はベルベルのドリルヘアーをがっしりと掴んでいる。
ベルベルも懸命に逃れようとするが、リジルの膂力が強すぎて身動きすら出来ない。
左手に雷撃魔法を収束させたリジルは稲妻の矢をツインテールの悪魔へと矢継ぎ早にぶち込む。
もう片方の髪束を盾の姿にしたベルベルは、雷撃の嵐を防ぐ——が、すべての雷矢をかわすことは出来ずに、何本かは彼女の身体に到達し、麻痺を誘発する。
ドリルヘアーを解放したリジルの右手が紫のドラゴンへと変化し、ベルベルを捕食する。
これが邪神ガタノソアの捕食形態なのか!?
「けぷ」
と、かわいいゲップをしたリジルに俺は問いかけた。
「ベルベルは、どうなったんだ?」
「あの娘は、あたしの体内の閉鎖世界に封印されてる」
「そうか。死んだわけではないのだな。リジル——いや、邪神ガタノソア——少し、話をしようか——」




