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冒険者ルーク 169

 目の前に立つベルベルは、魔力が枯渇寸前だ。

 顔が青い。

 満身創痍という奴だな。

 モンスターをクリエイトする能力には恐れ入ったが、ベルベル自身は弱いのかも知れない。

 悪魔の強者ならば、自身で戦おうとするだろう。

 今回はダンジョンという特殊な条件下での戦闘だったが、思わず苦戦を強いられた。

 リジルが居なければ、どうなっていたことか。

 もちろん、一番の相棒は付き合いの長いフラガラッハだ。

 あいつとは、何度も死線を潜り抜けた仲であり、ゴブニュ様が俺のためにわざわざ鍛え上げた剣なのだから愛着もひとしおだ。

 リジルに対する感情は、妹を持った兄の心境だな。

 そう、妹弟子イルマに抱く感情に近い。

 武器なのに人の姿も取れるし、インテリジェンス・ウエポンでもある。さらに邪神ゾアとは、情報量が多いな。

 幼女なのは、俺の趣味ではない。

 そもそも、部下以外では女性と話すこともないし、話したくもない。

 恋愛は俺にとって鬼門だ。

 誰かを愛する喜びを知らないわけではないが、前世の裏切りで心が傷ついている。

 恋や愛は楽しいことばかりではない。

 冷めないスープはない。

 どれだけ愛し合っていても、冷めてしまうこともある。

 愛は壊れ物だ。

 未だに死んだ母を思い続ける父上の一途な想いには、心打たれる。

 運命の相手か——俺も父上のように、最愛と呼べる相手を見つけられたらと思うが、呪われた身の上では、ハードルが高い。

 理想の結婚相手を探すより、魔物討伐でもしていた方がマシだ。

 話が逸れた。

 今はこのツインテールの悪魔の処分をどうするかだが、リジル的には封印で良いのか!?

 確かに悪魔や精霊、そして聖遺物などを封じられた武器は強大な力を得ると訊く。

 だが、呪われし剣デュルフィングなどは誰か一人を殺害しないことには鞘に納めることすら出来ないらしい。

 リジルは存在自体が邪神ゾアなので、虎のように元から強い。

 決して、文化財な脳みそではない。

 対アザトース戦に向けて、リジルの協力が得られれば良いのだが。

 こればかりは、神のみぞ知るだな。

 決して、神のみそ汁ではない。

 何てな。






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