冒険者ルーク 164
俺は、もう何千回エンキドゥに斬りつけたか分からなくなっていた。
だが、確実に再生スピードが弱まっている。
ナイアーラトテップも、両腕を処刑鎌に変えて、斬りつけているので、もうすぐ巨猿は倒せるだろう。
ふと、隣で連撃を振るう、這い寄る混沌が念話で話しかけて来た。
何やら、秘密の話があるようだ。
『君に話しておくことがある。この話をすることで、私のことを少しでも信頼して欲しい』
にわかに邪神を信頼しろ、と言われても話の内容にもよるし、俺がそう簡単にナイアーラトテップの言をすべて信じるかは分からない。
しかし、人間に愛情を感じるほどには這い寄る混沌は成長しているのだろうか?
罠という可能性も、もちろんある。
だが、この態度の急変は愛ゆえか。
人は恋に落ちると愚かになる。
それは、かつて俺がアーサー王であった時に体験したことだ。
確かに、誰かを愛してしまうと自身が愚かになったり、状況によっては狂ったりもする。
特に、嫉妬という感情は厄介だ。
かつて、俺は部下の騎士であるランスロットに、妻ギネヴィアを奪われた。
俺は嫉妬の世界に身を焦がした。
そう、ジェラシック・ワールドだ。
恐竜は出て来ない。
話が逸れた。
とりあえず、ナイアーラトテップの話を訊いて判断するとしよう。




