冒険者ルーク 160
ううむ、斬っても斬っても再生しやがる。
後は、弱点を看破するだけだが、すでに俺には見当が付いている。
それは、眼球だ。
硬質の肌を持つドラゴンでさえ、眼球は柔らかい。唯一の弱点と言えるだろう。
あるドラゴンなぞは眼球を斬りつけられ、片目を失明し、仮面を被るようになった。
タイガーホース——いわゆるトラウマという奴だ。
俺はエンキドゥの右上腕を駆け上り、眼球を浅く斬った。
再生速度を計るためだ。
体感時間で、五から十秒と言ったところか。
お猿さんは、たまらず左目を押さえ、再生するまで待った。
再生が完了し、エンキドゥは血走った目で俺へと憎しみを燃やす。
ヘイトを稼ぎすぎだな。
まぁ、軽く三百回は斬りつけているからな。
それでも、奴の心は折れていない。
大抵の生物は痛みに弱いはずなのに。
奴の武器は当たれば吹き飛ぶようなメガトンパンチと、尾の毒蛇から吐き出される猛毒。
——毒で思い出したが、昔、マナナンに蛇毒を打たれ、解毒の魔法を強制的に覚えさせられたなぁ。
クソッ、やはりマナナンは殺しておくべきだったな。
魔法使いとしては優秀だが、人格的に問題ありまくりだからな。
俺もトラウマを植え付けられた一人か。
マナナンの魔法実験の犠牲者は、どれほど多いのだろう。
おかげで、魔力操作はマナナンよりも上になった。
ざまぁ!




