妖気の波動 3
そして、妖気の波動はティル・ナ・ノーグ中央、オーベロン城の戦士の間にも届いていた。
「やっと封印を解いたか。まぁ、遅すぎるくらいだがね」
戦士の間は、妖精王クー・フーリンのお気に入りの部屋だ。
オーベロン城周辺には、選帝侯らの領地が点在している。
選帝侯とは、王または帝王を選出する権利を持った妖精族の族長らに与えられた称号である。
原初の民パーソロンを始め、フォモール、ネミディア、フィル・ボルグ、マイリージャ、ダーナ神族らが、いわゆる妖精部族である。
ダーナ神族出身のハイエルフが、クー・フーリンで、現・妖精王なのだが、黒猫は下級妖精のケット・シーである。
部族長らとしては、ペットに王座を譲るつもりはないのだ。
ルー・フーリンが王者に足る器であると知る者は少ない。
ただでさえ、他種族間で内乱が多かった彼らだ。黒猫王の統治に不安を覚えても仕方あるまい。幾ら黒猫王子が業績を上げようと、ダーナ神族とマイリージャ族以外は反対するだろう。
が、クー・フーリンでさえ封印と弱体化するしか手がなかった邪眼バロールを倒すことができれば、妖精王として認めざるを得ないだろう。
「それまで、生きていられたなら」
切なる願いである。
どうせ死ぬなら、息子の晴れ姿を見て、死にたい。
クー・フーリンはメトセラと呼ぶ千年近く生きる長命種だ。だが、その寿命は何事もなければという条件がつく。
左手の甲が白く変色している。
「バロールの石化が進んでるわね」
宙を見上げると、一人の少女が空中に浮かんでいた。どことなく顔立ちがバラーの館のカーバンクルの少女に似ていた。
服装は紫を基調としたゴスロリ衣装である。
やはり、髪と瞳の色も紫であった。
バラーの館の少女とは違い、こちらの少女は髪が長かった。
「リア殿、来ておられたのか」
苦笑するクー・フーリン。
「内部から、ゆっくりと石化していく呪いね」
「出来得る限りの方法で、石化を遅延することができていますが、いずれは……」
「ルー・フーリンが覚醒すれば済むことではなくて?」
「あの子の魂は、未だ幼い。私が居なくなった後、妖精界を継ぐのか――それとも、すべてを滅ぼすのかグライアイの予言でもわからない。だが、息子を信じたい」
真摯なエメラルドグリーンの瞳がリアを射抜く。
リアはクー・フーリンを見つめ返す。
絹糸のような漆黒の長髪。猛禽の眼光を放つ双眸。狼のように細く俊敏な身体。そして、魔槍ゲイ・ボルグの使い手にして、赤枝騎士団の団長。
イルダーナフの称号を持つ者。
この英雄が理不尽に死ぬことがあってはならない。
「私も、出来得る限りのことはする。まずは、猫のフラガラッハを強化しましょう。違うわね、本来の聖剣へと戻しましょう」
「まずは、聖剣へ至る妖精王の剣・エクセリオンへと進化させなければ」
やっと、5万字!
ロビン・ウィリアムズは出ませんよ、って
それは、ジュマンジ。
雨が降ってるので、今日は、飯島真理
の セシールの雨傘 な 気分。
雨の日に、元カノと彼氏に遭遇する歌。
個人的には、ガイ・ベネットの肖像 って曲が刺さる。
洋楽なら、ビリー・マイヤーズ の キス・ザ・レイン
雨の曲じゃないけど、ベス・ニールセン・チャップマン
の ダウン・オン・マイ・ニーズ も良い。
人間なんて、愛にひざまずくのよ、みたいな曲。
仮眠したら、更新したいと思います。
ブクマ、評価 お待ちしてます m(_ _)m
更新頻度が上がります。
仕事がハードな時は、50/50 かな。
肩も腰も痛いけど、がんばりますので評価等
お願い申し上げます。
m(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)mm(_ _)m




