冒険者ルーク 157
袈裟斬りから逆袈裟から突きから横なぎの一閃へと移行する連撃——が、斬れぬ。その上、硬質化した肌に弾かれてしまう。そのタイミングに合わせて、尾の大蛇から毒弾が発射され、俺はとっさに水魔法のアクアカッターで相殺する。
驚いたな。
自身の身体と連携するとは。
俺も、キュートな尻尾で魔力弾タスラムを錬成するが命中率は半分に満たない。
敵もさる者とは、良く言ったものだ。
悪魔が作ったお猿さんなので、デビルエイプあるいは、デーモンエイプと言うべきか。
ベルベルが大量のモンスターを作らないのは、条件があるからか——それとも、ただ単に魔力が足りないだけか。
モンスターをクリエイトする魔法は訊いたことがあるが、確か数倍もの媒介となる魔法の材料が必要なはずだ。
おそらく、エンキドゥはベルベルがダンジョンで作成出来る最高の魔獣なのだろうと思われる。
リジルの四属性をまとった剣でも、傷がつかないとはな。
ならば、俺自身が内包する妖精の力である妖力をプラスする。
この攻撃でダメなら、妖魔化寸前のジャガーノートを試すしかないな。
——いや、ダメだ。
呪いが発動した——
俺は猫妖精であるケット・シーの姿に戻ってしまった。
リジルも、それに合わせて剣身のサイズが縮む。
マジか。
幸い、妖力をプラスした魔法付与の剣は発動出来た。
ジャガーノートにならずにことが済めば良いが、それは取らぬ狸の皮算用というものだ。
邪神の動向も気になる。
さて、俺の所持する現状のカードで勝負出来るだろうか?
まぁ、やってみるしかないか。
トライ&エラーという奴だな。
実際に戦ってみないと、すべては分からない。
こうやって、戦いながら情報を集める。
レッスンtwo、弱点を看破せよ、だ。
まずは、敵の急所——弁慶の泣き所を探し当てる。どんな奴にも弱点は存在するものだ。
俺に弱点らしい弱点はないが、強いて言えば父上のことが絡むと沸点が低くなることか。
呪いは弱点に入るのか?
分からない。
付き合いが長すぎて、感覚が麻痺しているのだろうな。




