冒険者ルーク 132
豚をぶっ叩いたら、多少スッキリした。
ふん、豚如きがこの俺にマウント取ろうなぞ、百万年早いっての。
——案の定、次に現れたのは有機栽培——ではなく、オーガだった。
オーガは鬼で、凶悪な顔と角、筋骨隆々な身体を持ったモンスターで、性格は凶暴で大雑把。
こちらの世界では、冒険者三人で一体のオーガを相手にするのがセオリーらしい。
確かに、モンスターの中では戦闘力が高そうだな。
鬼は人間界ではモンスターでなく、妖怪という扱いらしいが俺にとっては、どうでも良いことだ。
俺に敵対する奴はモンスターだろうが悪魔だろうが、皆同じだ。
倒すべき敵の名称が違うだけ。
単調でお手本みたいなダンジョンで、つまらんな。
オーガの通常個体は体長三から四メートルくらいか。
出現率が極端に減ったな。
エンカウントする群れの規模は、五、六体。十体を超えることはない。
ロンで瞬殺とは言わないまでも、楽に攻略出来るペースだな、と思っていた時期が俺にもありました——
前言撤回、オーガの群れの最奥に阿修羅の腕を持つ、猿の姿のモンスターを発見。
六本の腕と頑強な皮膚を持つ、特殊モンスター。
——それが、アスラエイプだ!




