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妖精姫のケーリュケイオン 6

 

 慈母の微笑みを浮かべたエディンは、リンドブルムをとどめ置く仕事に専念した。たかが十秒、されどその十秒は邪竜に確実にダメージを与える価値のある時間である。

 そんな最中だが、エディンは心の中でカウントを取っていた。


(八!)


 縦横無尽に悪魔が、天使が、妖精が駆け抜けた。斬撃と刺突と魔法と速射による攻撃の嵐が荒れ狂う。ランペイジ――まさしく暴れまくりの境地であった。

 カイイリエルの大技、トリスアギオンが炸裂してからは赤竜は沈黙を守っている。どうやら、傷の修復に魔法を使用しているようで、すぐに動き出すことはできないのだろう。

 安堵したエディンの唇から血が一筋伝う。


(せっかくの親子の再会に水を差すな)


 それは誰に向けたものか。

 おそらくは、運命と呪いに対してのものだったかも知れない。


(九!)


 その間にもバルバトスの属性がエンチャントされた火矢などが次々とリンドブルムの外皮に突き刺さり、サブナックの刀―――菊一文字による連撃が邪竜の体力を削ってゆく。

 かつての新選組隊士、沖田総司から譲り受けた愛刀を獅子が振るう。


『魔界でも、どこでも良い。天然理心流を振るってくれ。それが私の生きた証になる』


 今際の際に残した総司の言葉をサブナックは反芻する。

 総司に召喚されたサブナックは、彼から天然理心流を学ぶために師事し、紆余曲折を経て、友となった。


(総司よ。某は約束通り、天然理心流を振るっているぞ)


 サブナックやエディンらの思いを巻き込んで、時が移ってゆく。


(十!)


 ついに、十秒がカウントされた時、フラガラッハの一閃がリンドブルムの右角を斬り飛ばした!

 苦悶の表情を浮かべる邪竜。


(やった! リンドブルムのツノを折った!)
































短めですいません。次は、もっと短いかもです。


ブクマありがとうございます。更新意欲湧きます。


王猫において、悪魔と契約者は互いに呼び合うという性質があります。

総司とサブナックは似た思考をもっているのでしょう。

あまり歴史は詳しくないので、矛盾点があったらご指摘ください。

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