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冒険者ルーク 116

 この世界には、ダンジョン——つまり、地下迷宮が存在する。

 ダンジョンには、男と女の二人組しか入れない。だって、男女んだし。

 冗談だ。

 では、なぜ迷宮が存在するかと言えば、神が自身の戦士を訓練するために造られたとか、魔王を封印するためにあるとか諸説ある。

 が、実際はいにしえの魔神ガイナゾーンを蘇らせるためのシステムであるということを、俺だけが知っている。

 羊角のミノタウロスの姿をしたエメラルドの肌の魔神がガイナゾーンだ。

 こいつには、特殊なユニークスキルがあって、魔物などを宝石に変えたりする能力があるらしい。

 宝箱などのトラップも、元来は魔力を吸収するためにあったが、澱んだ魔力がモンスターたちへと変質させてしまった。ミミックなどは、その最たるものだろう。

 そして、ダンジョンボスについてだが、こちらはその土地で一番強いモンスターが迷宮に封じられ、ガーディアンと化す。

 だから、ダンジョンボスがゴブリンだったり、ドラゴンだったりするのはこのためだ。

 ダンジョンの迷宮核は、ガイナゾーンを復活させるだけの魔力を回収するために存在する。

 迷宮には管理者が居て、運営しているのは大悪魔アーク・デーモンらしい。

 俺がなぜ、こんな裏情報を熟知しているのかと言うと、ダンジョンに詳細鑑定の魔法を掛けたからだ。

 ふむ、魔神復活の魔力貯蔵庫がダンジョンとは面白い。

 城塞破壊者プラフラーダの称号を持つ、この俺が挑戦するには良い案件かも知れない。

 が、まずは四大精霊王の悩み事を解決するのが先か。

 冒険者のはずなのに、冒険出来ていないと言う、このジレンマ。

 この世界で、俺が何を成すべきか——災害級モンスターの討伐。孤児たちの保護。英雄王の足跡を辿る旅。あるいは、そのいずれもか。もしかしたら、魔神ガイナゾーンと一戦交える時があるかも知れない。

 この時の俺は、知らなかった。

 自身の行動が運命になると言う、サダルメリクを。


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