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冒険者ルーク 110

 肉球を踏み入れた室内には、二人の少女が居た。

 ラルクの話によると、黒髪にサファイアの瞳をした女の子がアンナで、年齢は十歳。妹の介抱をしている。

 そして、粗末な簡易ベッドで今にも消え入りそうな表情を浮かべているのがシエルで、七歳らしい。

 息苦しいのか、常にひゅーひゅーという呼吸音を出している。

 どうやら、喘息の発作が出ているようだ。この病気は死滅した病原菌などの異物が気管支にこびり着き、呼吸困難を引き起こす。最悪の場合、死に至ることもある。

 銀髪にサファイアの瞳をした少女の瞳が、俺を捉える。

 この娘は運が良い。

 何せ、ティル・ナ・ノーグの王子が直々に回復魔法を掛けてやるのだからな。

 俺は黒猫の姿のままベッドに飛び乗り、シエルの喉を舐めて、妖精回復魔法のキアンを流し込む。

 ここで通常の回復魔法ヒールを使わないのは、彼女の身体を慮ってのことだ。妖精魔法は免疫を上げる効果がある。

 普通のヒールでは、病人に刺激が強すぎると判断したのだ。

 最適な魔法を瞬時に判断し、行使する。クソジジ——我が師、マナナン・マクリールの教えだ。

 ちなみに熱が出ていたので、額にキスをし、こちらも治してやる。

 効果は劇的に現れた。

 呼吸音は正常となり、熱も引いた。

 やれやれ。

 疲れたな。

 休憩したい。

 今は休憩し隊の隊長の気分だ。

 一服したいな。

 タバコは吸わないから、コーヒーが飲みたい。

 黒猫だけに、ブラックで!

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