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冒険者ルーク 103
生きることが地獄に感じられる。そういう時期が私には、あった。
それは、いつ始まったのか——思い出せないほどに、日常と化していた。
私立聖城学園中等部に2-7には、女帝が居た。いわゆる一軍女子のリーダー格で名前は、如月亜矢香。ツインテールで、目つきが鋭い女だ。実家は裕福で、父親は市会議員か何からしい。学園に多大な寄付をしてるらしく、校長や先生らは彼女の言いなりで、私は虎の威を借る狐——亜矢香を密かに軽蔑していた。
クラス全員に無視され、教科書はゴミ箱へ捨てられ、弁当には虫が混ぜられる。
そう、私こと芹奈芽留は、いじめを受けていた——




