冒険者ルーク 101
地球は様々な意味で、特殊な惑星である。
太古の邪神クトゥルフは、頭部はタコで口元は触手であり、背中にはコウモリの翼を有した姿をしている。
その彼の姿に酷似した、クタニドという存在は地球を愛し、邪神の魔の手から人類を守りたいと願っていた。
が、邪神ヨグ・ソトースは時空に干渉出来る門にして鍵という強大な存在だった。
クタニドは旧支配者の七帝らに封印され、時空の彼方で眠りについているとされる。
クロノスとアイテールは、クタニドの指令で動いていたが、彼の正体を知らずに居た。
クタニドと時を同じくして、海底都市ルルイエに封印されたクトゥルフは、地球の内部から人類に精神汚染を仕掛け、発狂を誘発し、破壊工作を目論むもナイアーラトテップらに阻まれていた。
ナイアーラトテップは人類を殲滅する気はない。ただ、隷属させ、人類の文明の恩恵を受けたいのだ。
そういう思想の違いが、ナイアーラトテップを人類の保護に走らせ、時には他の邪神と敵対することもあった。
今回、新たな従者となった人間の少女アイナに助けられたことをきっかけにますます這い寄る混沌は、人類を守護する方向にシフトした。
この時、ナイアーラトテップは気づいていなかったが、アイナに特別な感情を知らずに抱いていた。
それは、愛と言う感情であった。




