表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

570/625

冒険者ルーク 98

 左手首から、ぼとぼとと血を流すモロク。

 口から火炎を吐いて、傷口を焼いて出血を止める。

 バフォメットは右手の爪に魔力を集中させ、レオナールの能力であるラスティ・ネイルを発動した。


「ラスティ・ネイル——ゾア・フレイム」


 大抵の生物は火に弱い。

 だが、モロクは火炎を操る魔神だった。

 邪神の炎の爪撃がモロクの左腕にかすり、白い炎が立ち昇る。


「火炎魔神に炎の攻撃を仕掛けるとは、笑わせる」


 だが、消えぬ。

 火炎に耐性を持つモロクであっても、邪神が作り出す炎を消すことは出来なかった。

 徐々に炭化して行く左腕を、モロクは鎌で斬り飛ばし、攻撃を凌いだ。


「バカな、この火炎——どう、なっている!?」


 炎を無効化する耐性があるにも関わらず、バフォメットの炎爪はそれらを無視して燃え続けた。


「この程度の攻撃を凌いだだけで驚愕するとはな。貴様はどうやら、格下の魔神だったようだな」


 ニヤリと笑うバフォメット。

 次に瞬間移動をした黒山羊の邪神ゾアの手には、モロクの脈打つ心臓が握られていた。


「ゴフッ!」


 大量の血を吐いて、倒れ伏すモロク。そのままバフォメットは心臓を貪り食い、モロクの魔力を自身に吸収した。

 戦闘に負けた悪魔の能力や魔力は、倒した相手に引き継がれるシステムが存在した。能力獲得はランダムだが、悪魔が自身を強化する手っ取り早い方法は、同族を手にかけることであった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ