568/619
冒険者ルーク 96
サバトに乱入したモロクは、下級悪魔や魔物などをデスサイズの餌食にし、カオスな状況を作り出した。
逃げ惑う魔女や反撃を試みる下級悪魔の群れ。
が、モロクの振るう鎌は一瞬で生命を刈り取って行く。
ついに、バフォメットと相対するモロク。
「暴れ牛に招待状を送ったつもりはないのだがな」
と、バフォメット。
「フン! 山羊風情が生意気な。これより、貴様を殺して、魔女の軍団を貰い受ける。ハーレムはワシの物だ!」
と、鼻息荒いモロク。
「まずは、我を倒してから、その世迷言をほざくのだな!」
「ぬかせっ!」
一挙動で、モロクが魔界の太守の眼前に躍り出る!
死神の鎌の一撃がバフォメットの首を刈る寸前——
デスサイズの刃は、不可視のバリアによって遮られた。
驚愕し、飛び退るモロク。
次の瞬間——胡座をかいたままのバフォメットが牛頭の魔神の背後に現れた。
瞬間移動である。
そう、バフォメットの持つスキルは、超能力——俗にサイキックと呼ばれる物であった。




