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冒険者ルーク 89

 

 天界、黄金宮殿中枢——


 そこには、二人の片翼の天使が居た。

 幼女の姿をした二人は、イリンとクァディシンと呼ぶ、天使全体を監視する役目を負っていた。

 イリンは白髪に紅眼の天使で、クァディシンは黒髪に蒼眼の姿だった。

 彼らは宮殿内部にある隠し部屋におり、巨大な水晶の前に立っている。

 これは遠見の水晶と呼ばれる物で、イリンとクァディシンの監視対象を映し出す物であった。


「監視対象がロストした——」


 呆然とイリンがつぶやく。

 監視対象は、存在自体が特級呪物であるルー・フーリンだ。

 アイテールの導きで異界へと転移したので、存在を見失ってしまったのだ。


「マジか——ソロモンの指環の行方も知れないのに、この上、黒猫まで居なくなったらどうするのさ——」


 かつて、悪魔狩人ディアボロスハンターだったソロモンが所持していた指環——それは、アッピンの本に匹敵する特級呪物であった。

 見かけは鉄と真鍮で出来た指環だが、それは天使と悪魔を従えることが出来る神自らが創り出した強大な力を持つアイテムなのだった。

 が、この指環を扱うには一つだけ条件があった。

 それは膨大な魔力の持ち主にしか、起動することが出来ないというものだが、ルー・フーリンやソロモン王は生まれながらにして潤沢な魔力を有していた。

 もしも、黒猫がソロモンの指環を手に入れたなら、神・アドナイを超える存在となってしまう。

 それだけは避けなければ——

 黒猫王子の変化したジャガーノートは、妖魔の部類に入る。

 そう、ルー・フーリンは魔界の帝王サタンさえも超える逸材なのだ。

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