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冒険者ルーク 86
かつて、アスタロトが座天使だった時、地上に降りて、すぐ大蛇アナコンダに飲み込まれてしまう事件があった。
それは、蛇神イグの娘、ヘルペテが擬態した姿だった。
アスタロトはギフト〈ラプンツェル〉を覚醒させることで、ヘルペテの蛇体から妖力を吸収し、強大な能力を得た。
計らずも魔界の大公は、邪神の能力を得、四大実力者へと登り詰めたのだった。
邪神を吸収したことで、アスタロトは蛇との親和性が高まり、その特徴や習性が現れるようになった。
アスタロトの蛇の属性は、ヘルペテの死亡によって獲得できたものなのだった。
——それから、アスタロトは72柱の魔神の有力な悪魔を、各個撃破で下し、自らの手駒を着実にゲットしていたのだ。すべては、魔界の帝王——いや、紅の女帝へとのし上がるために。




