冒険者ルーク 82
トラペゾヘドロンからシュブ=ニグラトの核を取り出す。
彼女の核は、まるで紫色のダイヤモンドだった。私は自身の身体に、それを取り込み、さらなる進化を求めた。
——核を吸収することにより、私の攻撃力と妖力は大幅にアップした。
ふとした思いつきで、邪神の核の欠片を用いて、ナイトゴーントを強化することにした。
フェイスレスの夜魔七体と小さな紫のダイヤを融合させる。
すると、ナイトゴーントらは人型となり、一対の角は、山羊の物と化した。
背中のコウモリの翼は禍々しく変貌し、個体には様々な生物の特徴が現れた。
これはおそらく、シュブ=ニグラトが捕食した生物らの特徴がナイトゴーントらに出現した物だろう。
私は彼らを、ゴーツナイト親衛隊と命名し、ゴル=ゴロスの切断された肉体の細胞を吸収させ、再生能力を持つ軍団を試験的に作ってみることにした。
もちろん、私もゴル=ゴロスの能力を獲得し、再生能力を強化するつもりだ。
これで、私の野望に一歩近づいた。
異界からの黒猫の来訪は計算外だったが、問題ない。
他の邪神を支配下に置くことが可能ならば、さらなるパワーアップも見込めるだろう。
私自身が核を集めて、強化しても良いが父・アザトースに邪魔されることも想定される。
敵対勢力の動向も気になるし、課題は山積みだ。
あの黒猫的な生物が、私の敵を始末してくれるなら、その方が楽で良いのだがな。
旧支配者は、ほとんどが封印され、かつての力を失っている。
仇敵である、ツァトゥグァやダゴンにハスターらも、それは例外ではない。
今こそが、敵対勢力を一網打尽にする好機ではなかろうか。
私は地球を気に入っているが、奴らは文明が滅ぼうが、生物が死に絶えようが気にはしない。
原住生物らを奴隷にすれば、快適に過ごせると言うのに。




