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冒険者ルーク 74

 王都ラスカーシアの北西に、その巨大な屋敷はあった。

 ラスカーシア侯爵領の領主、レぜリックは脅迫されており、数日後には、ある場所へと向かわなければならなかった。

 客間には、レグルス・アダンが通され、レぜリックは驚愕の事実を知らされていた。

 隻眼の大男の眼前には、領主であるレぜリックがソファに腰掛け、まとめられた報告書を何度も確認していた。


「到底、信じられぬ話だ。ゴブリンのスタンピードで死者がゼロだと!? 群れの規模が数百程度だったのではないか? しかも、冒険者登録をして、まもない新人が

 奴どもの暴走を食い止めた、だと!」


「オレも、そう思ったさ。だが、きちんと討伐証明部位である左耳を、三万体以上納品しやがった。その上、薬草を三年分と、フェンリルの希少種の毛皮と牙をもだ!!」


 その偉業を、ソロで冒険者登録を済ませたばかりのエルフが成し遂げたという。

 冒険者ルーク——彼は、何者か!?

 それは本人でさえ、良く分かっていない。

 ケットシーで、王子で、黒豹で、王者の幸運な星——その、いずれもが彼を指していた。  …








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