冒険者ルーク 60
汚物は消毒しなきゃな。
世紀末な救世主が出てくるマンガで、雑魚キャラがそう、ほざいていた気がする。
ゴブリンの討伐証明部位は左耳で、些少ながら小さな魔石もゲットできる。
そこで、俺は回収役に再度、ドライアド美女軍団を喚び出したが、彼女らは難色を示した。
まぁ、不潔なゴブリンどもに近づこうなんて、まともな神経の持ち主なら、そうは思わないだろう。
左耳と魔石の回収。やりたくないなら、やるように誘導すれば良い。
俺は条件を提示した。
まず、彼女らにクリーンと反射と悪臭を無効化する魔法を掛ける。
魔獣の皮でできた手袋を支給する。
その話を訊いても、彼女らのやる気はナッシングだ。
そこで、報酬を提示する。
回収物が多い者には、俺が錬金術で作成した貴金属のアクセサリーやネックレス等を贈呈しようと思うと話した。
美しく進化したドライアドの全身は、貴金属のアクセサリーによって、さらに輝きを増すと俺は思っていたのだが、誰もやる者がいないなら、使い魔に頼むしかないな、と匂わせたらドライアド美女軍団は乗って来た。
ニヤリと、俺は悪い笑みを浮かべる。
回収役ゲット!
これで心置きなく、ゴブリンを大量虐殺できる。
ゴブリンの遺骸は、意外にも森の養分となるようだ。そう、ドライアドが話してくれた。まさに、Win-Winな関係だ。
『リジル、すまないがゴブリン退治に力を貸してくれ』
〈本当はイヤだけど、マスターのためなら良いよ〉
よし。これで準備は万端。
シルヴィ万端だ。




