冒険者ルーク 57
朝が早すぎたので、俺は土魔法で即席のベッドを作り、スプライトたちが仕事をする間、二度寝することにした。
眠すぎて、俺の頭の中では黒猫の自分がフラフープをしてる幻覚まで見える。
頭がフラフラしている証拠だ。
「——起きて!」
精霊スプライトの声に、覚醒する俺。
起きた。起きた。起きた総士。
おお、集まったか。
体感で一時間もかかってないな。
どれどれ——
って、なんじゃこりゃあ!
俺の眼前には、山と積まれた薬草の束がある。ご丁寧に雑草の茎で綺麗に束ねてあり、見栄えも良い。さらに薬草が劣化しないよう保存の魔法まで掛けてあるし、土すらついていない。
スプライト——やれば出来る恐ろしい娘!
パフェの由来と掛けて、文句がつけない仕事と説く、その心はパーフェクトだ!
パフェはデザートとしては完璧である。
そこから、パーフェクトを略して、パフェという言葉が生まれた。
パルフェとも呼ぶが。
良い仕事だ。
名付けも真剣に考えなきゃな。
「良く、これだけの量を集められたな」
俺は、素直に感心する。
概算だが、ギルドで消費する一年分はありそうだ。
「えっへん! 私たちスプライトの実力を甘く見ないでよね」
と、無い胸を張るスプライト。
どうやら、彼女たちは五人で薬草採取をやってくれたようだ。
その時、俺が採取を頼んだスプライトがにらみつけて来た。
「何か、超失礼なことを考えてなかった!」
「そんなことないぞ」
絶壁とか、貧乳とか、絶対に考えていない。
ふ、君のように勘の良い精霊は嫌いだよ。




