冒険者ルーク 55
「先輩が直々に後輩を指導してやろうっってんだ! 大人しく、言うことを聞きやがれっ!」
親切の押し売りは、いらんですよ。
アンガスは、俺に殴りかかろうとする。
こんな風に、理不尽に絡んで来る冒険者もいるって勉強になったな。
「ごはっ!」「がはっ!」「げへっ!」
次の瞬間、チーム・アンポンタンは壁側に吹っ飛ばされていた。
俺は、おつりの銅貨に風魔法を掛け、指弾のようにコインを弾き、奴らをギルドの壁に叩きつけてやった。修繕費はアンポンタンたちから徴収してくれ。
「硬貨は抜群だ。違った。効果だったな。レクチャー料の三百ゼニスだ、先輩。後輩にたかる冒険者が居るとは、知らなかったな。この硬貨はレクチャー代にくれてやる。二度と俺に関わるな」
触れるな危険。
俺様の猫パンチが火を吹くぜ。
俺は人間界のアニメのモンスターたちを球体から取り出し、バトルをして攻撃が決まった時の名ゼリフを言ってみた。
ギルド内には、職員を含め三十名ほど居たが皆んなが俺にグッジョブ的な視線を向けて来た。
まぁ、嫌われ者はどこにでも居るか。
後処理はギルド職員に任せ、俺は隣りに併設された宿屋にチェックインし、束の間の惰眠をむさぼるのだった。
明日からは、ランク上げというブートキャンプが待っている。
最速でのランク上げは無理でも、一週間もあればC級までのポイントは稼げるだろう。
邪神の影響で、この辺りのモンスターが活性化しているし、レベルとランクを上げるには最適だな!




