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冒険者ルーク 50

「何か、問題でもあるのか」


 俺は解体のオッサンに訊いた。

 オッサンは見たところ五十代で、とんがった白髪の持ち主で、エプロンと手袋に身を包んでいた。


「どうやって、この偽物を鑑定で本物にすることができた!?」


「そりゃあ、本物だからに決まっているからさ」


 俺はクスリと笑った。


「何がおかしい!」


 激昂するオッサンは、フェンリルの体毛が銀色でなく、鑑定を施したが結果は本物と出たのだろうと察しがつく。


「失礼——アンタは鑑定でフェンリルの体毛がブルーグレーであるにも関わらず、本物と真贋結果が出たことで、俺が何かしらの詐欺を働いたと考えたんじゃないのか?」


「おうよ! フェンリルの体毛は銀って、相場が決まってやがる」


 再び、俺はクスリと笑う。


「アンタの鑑定レベルは、少し低いようだ。通常種のフェンリルは確かに銀毛だが、希少種のフェンリルの体毛はブルーグレーなのさ」


「何だとっ!?」


「誰か上級鑑定が使える職員は居ないか?」


 俺が周りを見回して、上級鑑定持ちを探す。

 俺が鑑定しても良いのだが、こういう場合は第三者を介入させ、フェンリルの毛皮が本物だと証言させた方が後々のトラブルを回避できると判断した。


「この俺が直々に、判断してやろう」


 ドスの効いた声で、俺らの眼前に現れたのは屈強な身体を持つ、隻眼の大男だった。

 そいつは、俺の鑑定ではラスボスならぬ王都ラスカーシア支部ギルドマスター、レグルス・アダンと出ていたのだった。







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