妖魔の森の赤帽子 2
黒猫が忘却魔法をかけてから、一分が経過した。今回は完璧を期すために、ルーも居残って問題がないか見守っている。
「何ともないわよ。失敗したんじゃない?」
「そんなはずはない。呪文は完璧だ。だが、しかし眠りの魔法が効いて、記憶を消す呪文が効かない意味がわからない!?」
魔法が効きにくい体質ならわかる。が、京子にかけた魔法の一つが効いて、もう片方が効果が認められないとは。
黒猫は器用に両前足を組み、考え込む。
ジロジロと猫に見られ、京子は居心地が悪い。
さらに、エメラルドグリーンの瞳が女子高生をねめ回す。
「ちょっと、あたしが超絶美少女だからって、そんなに見ないでよ!」
無愛想な黒猫に、京子はジョークを混じえてみた。クスリとでも笑えば、関係が少しでも良い方向に変わるかも知れないと、思ったからだ。
「そうか。わかったぞ!」
黒猫がポンと肉球を打った。
(ええ〜、超絶美少女の設定スルーなの!?)
京子は、ちょっと涙目になった。傷つきやすいお年頃なのだ。
「お前は、妖精の生まれ変わりだ! その左手首のアザが何よりの証拠だ!」
京子は自身の左手首の内側にあるアザを見た。
生まれつきのものだ。だが、それが妖精の転生の証かどうか、彼女には判別できなかった。
「あたしは人間よ!」
「わかってる。それに妖精が転生した者でもある。珍しいこともあるものだ」
(そもそも、妖精界から人間界へ転生できるものなのだろうか? 輪廻転生の仕組みなど、わからんが、これで京子の記憶が無くならなかったことに得心が行った)
ふいに、馬のいななきが聴こえて来た。
黒猫は背後を振り返り、彼女を待つ。
突如、空間に裂け目ができ、一頭の駿馬が躍り込んだ。
「どうした、ケスリー。血相を変えて!?」
現れたのは、妖精界の水棲馬ケルピーであった。馬体はミントグリーンで、人間界の馬には存在しない色だ。それだけで、ケスリーが妖精界の住人であると知れる。
「団長、急ぎティル・ナ・ノーグまで、お戻り下さい!」
「一体、何があった!?」
「実は、妖魔の森とダズリング伯爵領の境界に現れたレッドキャップに、妖精騎士団が敗北しました!」
黒猫は耳を疑った。
ゴブリンの上位種で戦闘的な邪妖精とは言っても、所詮はレッドキャップである。ルーに言わせれば、雑魚の中の雑魚にも等しい。その赤帽子に、妖精騎士団が負けた?
ありえない。
確かに、稀に強い特殊個体が生まれる時もあるが、それでも多少、苦戦する程度だ。副団長のレイナルが居て、敗北したのだとしたら、そのレッドキャップはかなりの強敵だ。
「で、死傷者の数は?」
黒猫が気になっていたことを、ケスリーに問う。もし、部下の誰かがレッドキャップの手によって殺されていたら、弔い合戦も辞さない。黒猫教官は、誰よりも厳しいが、と同時に誰よりも優しい。
「おりませんが、数名の者は武器を破壊され、無力化されたそうです。そこで副団長のレイナル様から団長へ、救援の要請に参った次第でございます」
(ほう、死傷者がおらぬとは、優しいレッドキャップがいたものだ。通常の奴なら、皆殺しにしていてもおかしくはないはずだが)
一気に、黒猫の興味が件のレッドキャップに湧いた。
「ほう、この俺が出向かなければならぬほどの手練れかっ!」
久々の強敵の予感に、ルーの心は踊った。
「はい。そして、陛下より団長にご伝言がございます」
「何だと、ケスリー。それを早く言えっ! それで、父上は何とっ!?」
「人間の女を守れ、だそうです」
ヒャッハー、やっと4万字だぜ!
疲れたm(_ _)m
新作アップしようと思ったけど、ガソリン切れm(_ _)m
SNAP の パワー でも聴かないと元気でないかな?
実は、玉置浩二 さん というか、安全地帯のファンです。
元気な町 オススメです。
昨日、カクテルのモヒートを飲みました。美味し!
次は、マリブミルクという、ココナッツミルクのカクテルが飲みたいです。カシスやベイリーズも良い感じです。
最近、仕事で遠くへ引っ越ししたので、飲み友達もおらず、孤独に仕事漬けの日々です。
私生活が楽しかったら、作品も面白くなるかなぁと考えてます。
モチベ上がるのは、アニメ、マンガ、ゲーム、ラノベ、ブクマくらいですね。
最近は、モチベ低くてm(_ _)m
病院代も高かった!
何か良いこと、ないかなぁ?




