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妖魔の森の赤帽子

 

 京子が目を覚ますと、黒猫とピクシーの姿はそこになく、グラーシャ・ラボラスとの戦闘の形跡は、どこにも見当たらなかった。

 どうやら、眠りの魔法のみが発動したらしく、記憶はすべて京子の脳裏に鮮明に焼きついている。

 今また、バック・ベアとの戦闘も記憶に新しい。

 すべてが京子の見た夢だったのではないか。

 そう思っていたが、眼前に立つ黒猫が夢ではないことを肯定している。


(大きくなった……)


 我知らず、京子の瞳から涙が一筋伝う。

 身体の奥底から誰かの声がする。


(もう二度と会うことは叶わぬと思っていたが、神はそんなに意地悪ではないらしい)


 良く知る声のはずなのに、他人の声にも聴こえる。


(あなた、誰!?)


 京子が謎の声の主を誰何する。


(もう一人のお前さ。この身体では、脳に負担がかかるゆえ、私に関する情報は消しておく)


「どうした。なぜ、泣いている?」


 ルーに指摘されて、京子は自身がとめどない涙を流していることに気づく。


「え!? 目にゴミが入った? 入れられた? コンタクトがズレた――って、あたし裸眼じゃん!」


(知らんがな!)


 黒猫は心の中で、ツッコミを入れる。

 関西弁なのは、人間界に出張すると決まった時に集めた資料からの情報である。ツッコミは関西弁に限る。他にも、アニメなどの資料から人間界の実態をリサーチしているので、かなり偏った知識が黒猫に植えつけられていた。

 やはり、現地の人間から生きた情報を仕入れないとダメだ。なぜなら、人間界の猫はピアスをしないらしいのだから。

 ルー・フーリンは、ある事情で三つの黄金色のリングピアスを付けることを余儀なくされている。

 それに、妖精界のオシャレ番長として、ピアスだけは外せない。今や、黒猫王子のトレードマークだ。ピアスが先か、猫が先か――それが問題だ。

 どうも、この人間の娘には振り回されている気がしてならない。

 ショートカットの栗色の髪に、聖城学園高等部の制服。人懐っこそうな瞳の中に、好奇心が見え隠れしている。

 黒猫は京子を分析する。

 やはり、存在感が希薄だ。

 妖精眼の影響か、存在が半分ほどしか感じ取れない。

 まるで、ここに存在してはいけないものが形を成しているという奇妙な印象を受ける。

 例えるならば、幽霊という存在が一番近いかも知れない。

 そして、掃除機型の霊魂を吸い集める道具で、巨大なマシュマロゴーストと化した京子を退治するのだ。

 黒猫は気づいた。

 今の話は、人間界を調査する時に観た映画の内容だったと。

 いかん。いかん。

 京子が何者だろうが記憶を消すことは確定している。

 そう、黒いスーツを着て、サングラスをかけた男二人が彼女の記憶を抹消するために、銀色のボールペン型メモリー消去装置を発動――

 いかん。いかん。

 それも勉強のために観たSF映画だ。

 黒猫クールモードを発動させたルーは、京子に右の肉球をかざす。

 ぷにぷに、してもらいたいわけではない。

 どうせなら、父上に――

 いかん。いかん。


「これから君の記憶を消す。悪魔も妖魔も物語の中の話で十分だ。今度は集中する忘却魔法アムネジア発動!」
































すみません。買い物やら、洗濯やら、食事やらで


更新遅れました。


今日は、ベット・ミドラー の フロム・ア・ディスタンス


な気分です。女優にして歌手。雰囲気が大阪のおばたん


か、ウーピー・ゴールドバーグ(笑)






さらに、今日は病院へ行くので、更新できるかは


確定できません。


なるべく、更新したいと思います。


m(_ _)m



ではでは(ΦωΦ)ニヤリ








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