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冒険者ルーク 25
「ガアアアッ!」
俺は、あまりの苦痛に吠える。
どうやら、痛みを伴う系の変身だったらしい。
ガッデム!
先に、言いやがれってんだ。
身体が戦闘に特化されるように、書き換えられて行く感覚がある。
呪いをブーストさせ、新たな力に変える。
俺は英雄王クー・フーリンの息子。
父上の評判を落とすような戦いだけは、絶対にできない。
妖精王でありながら、魔槍ゲイ・ボルグの使い手。さらに慈悲深く、美しい。その英雄が俺の父なのだ。
父上の息子であることを誇りに、俺は生きる。
だから、黒猫だろうがハイエルフだろうがジャガーノートだろうが、関係ない。
俺は、俺だ。
痛みが引いた時、そこには黒豹の獣人ジャガーノートの姿があった。
ハイエルフの皮鎧は問題なく、ジャガーノートの俺にフィットしていた。どうやら、サイズを調節する魔法がかけられていたようだ。
俺はリジルを一振りし、炎魔法を付与する。そして、古代の力ある魔法文字ルーンで、魔剣クラウ・ソラスを現出させることに成功する。
ここからは、俺のターン。
邪神への反撃の時間が始まる!