表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

484/632

冒険者ルーク 12

 黒山羊の姿を取る、邪神シュブ=ニグラトの周囲には灰色の光景が広がっていた。

 山の中腹にある拓けた場所なのだが、大地や樹々は死に絶え、灰色の空間だけがあった。それは、彼女に生命エネルギーを吸い取られた抜け殻であったのだ。

 今、彼女の仔らは空腹だった。

 周囲には怯えたケルベロスの群れが、彼女の勘気に触れぬよう、身を縮こまらせている。

 その集団の中の一匹に目を付けた黒山羊は、額の邪眼を使って、ケルベロスを近くへと誘導する。

 邪眼に魅入られたケルベロスは、自身の意志に関係なく、シュブ=ニグラトの元へ歩み寄って行く。

 黒山羊の身体から、無数の禍々しき邪神の幼生が這い出し、ケルベロスへと襲い掛かる!

 その姿は単眼の黒山羊に赤い牙を持つ、手足のない、おぞましい姿だった。

 邪神の幼生、へゼルゴートは血に狂うピラニアのようにケルベロスを骨だけの存在へと変貌させた。

 シュブ=ニグラトは仔らの満腹を確認すると、慄えるケルベロスらを見て、満足そうに眠りについた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ