冒険者ルーク
上下左右がない暗い空間に、彼は浮かんでいた。世界の狭間にある神だけが干渉できる空間――人間は、それを神域と呼んだ。
魔獣リンドブルムの攻撃は、時間と空間を歪ませ、黒猫王子ルー・フーリンを神域へと飛ばした。
『そろそろ、起きてもらえるかな?』
誰かの声が、ルー・フーリンの意識を一瞬で覚醒させた。
とっさに飛び退ろうとする彼だが、無重力状態で身体が動かせない。
黒猫は全身の毛を逆立て、警戒することができなかった。なぜなら、体毛がなかったからだ。
「貴様は一体、誰だ!? 俺の身体に、何をした!?」
『うん。ボクは神様だよ。君らの世界の神ではないけど。一時的に、君には本来の姿であるハイエルフに戻ってもらったよ』
神と名乗る、銀色の長髪の青年はルー・フーリンの全身が写せる巨大な姿見を取り出した。
鏡に写る、その姿はまるっきりクー・フーリンで、漆黒の長髪にエメラルドグリーンの瞳をした少年の姿であった!
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
今回の話は、スピンオフに近い感じです。
ルー・フーリンの別の世界線での物語です。
本編の伏線回収も、そろそろやらなくちゃと思いながらもモチベが上がらないので、冒険者編で時間稼ぎする感じです。
私事で恐縮なのですが、作者はあまり身体が丈夫でなく、4軒ほど病院に通ってます。仕事もあるので、基本、脳みそが疲れてる時は更新しません。出来うる限り、書き綴りたいと思いますので、応援よろしくお願いします。
いつも、見てくれて、ありがとうございますm(_ _)m




