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弓聖の救世主 16
サソリの尾が爆散し、毒液が大気中に飛び散る。
すかさず、バルバトスは二の矢を放ち、爆散した尾に氷結属性の攻撃を仕掛ける。
瞬時に毒を撒き散らしていた尾が凍りつく。
ギャアオオオ!
耳をつんざく、マンティコアの絶叫。
好機と見たバルバトスは、次々と連射するが赤獅子は傷ついた尾と、爪で矢を叩き落とす。
激昂したマンティコアは、バルバトス目がけ突進。
連射で迎え撃つが、バルバトスの矢はことごとく回避される。
またしても、赤獅子の爪撃。
弓を盾にせず、バルバトスは懐に飛び込み、がら空きの鼻面へエルボーを炸裂させる!
ギャヒン!
強烈な肘鉄を鼻に食らったマンティコアは、安全圏である空中へと逃亡する。
弓と体術での攻撃。
これがバルバトスの戦闘スタイルの完成形である。
傍観していたイルダは、初めて弓使いをかっこいいと思ったのだった。




