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弓聖の救世主 10
ティル・ナ・ノーグのことは、さておいてバルバトスはイルダから様々な情報を得ようと話しかける。
「しかし、弓が専売特許のエルフが、あのお粗末な腕前とはな。貴様の師の底が知れるというものだ」
イルダは、キョトンとする。
「何、言ってるスか? エルフと言えば槍っスよ! そんなの、そこらの三歳児でも知ってるっスよ」
(バカな、エルフと言えば弓というくらいだぞ。一体、どうなっている!?)
「そんなはずはない。エルフとは、弓に長けた種族なはずだ!!」
「エルフと言えば、槍っスよ! 弓は臆病者の武器っス。アタシは槍が使えないから、仕方なく弓をやってるだけっス!」
イルダの激昂に、バルバトスはショックを受けていた。もしや、違う世界線のティル・ナ・ノーグへと落とされてしまったのかと。




