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ポイズン

 アスタロトは魔界の帝王になるための努力を惜しまない。

 利用できるものは、何でも利用する。

 彼女は、あらゆる場所に隠れ家的なラボを所有しており、様々なことを研究している。

 今回、アスタロトが目をつけたのは蛇毒である。魔法での攻撃だけではなく、蛇の毒を兵器利用できないかと考えたのだ。

 結果、人間に用いる毒の三倍量を悪魔に投与することで死に至らしめることが判明した。

 被験者には様々なタイプの悪魔が用意された。

 人型から昆虫、植物、魚類、爬虫類、鳥類から獣人までのテストケースを集め、蛇毒の実験が行なわれた。

 まずは、効果の現れない無効量を調べ、次に毒が効く中毒量を探り当て、ついには致死量を完璧に調べ上げた。

 中には、蛇毒に対する耐性を獲得したり、毒を無効化する個体も出現したりした。

 これらは死の淵に立たされると、覚醒するギフトの一種なのかも知れなかった。

 数あるラボの一室の中、白衣に赤いシャツを着込み、メガネを掛け、女医然としたアスタロトが安楽椅子で詳細なデータに目を通していた。


「ふうむ、毒を無効化するギフト持ちがいれば意味はないが、防衛手段の一つとしてなら、毒での攻撃もアリなのかもな」


 アスタロトは魔界を手に入れるために、壮大なプランを用意していた。

 まずは、エキドナやベルゼビュートの血族の強化。将来的には統治の必要な辺境辺りに配属し、アスタロトの牙城を支える人材としたい。歯向かうならば、殺すまで。

 次に、ナンバーズの悪魔らを各個撃破し、自身の軍勢に加える。

 そして、可能ならば魔界の最下層のクリフォトから大悪魔らを引き抜き、真の支配者として君臨するのだ。

 彼女の未来予想図には、紅の女帝が名だたる大悪魔の軍勢を引き連れ、天界に戦いを挑む将来が視えていた。

 さらなる進化を遂げる野望の炎は、アスタロト自身を、もう一段階上に引き上げるのだった。













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