幕間――迷子の迷子の、仔竜ちゃん? 2
「副団長、ここら辺に逃げ込んだはずですがね?」
クー・シーのリュカオンが確認するように、周囲を見回す。
レイナルは渋い顔で、森全体に目を凝らしている。よりによって、団長が不在の時に面倒なクエストが発生したものだ。
ダークエルフを多く輩出するマイリージャ族――レイナルはその族長の息子である。浅黒い肌に、白く長い髪。そして、紅い瞳。彼らマイリージャ部族はその見た目から不吉がられていた。邪神に魂を売った存在として。が、それは一部の悪魔崇拝を行なっていた連中に向けられたものだったが一族全体の悪評となってしまっていた。
噂に関係なく、優秀な者を登用する黒猫王子に批難の目が向けられるが、ルー・フーリンは涼しい顔だ。
能力のある者を遊ばせておく余裕は、妖精騎士団にはないと、人事ならぬ妖精事の反対意見を突っ張ねた。猫団長爆誕の瞬間であった。以来、レイナルはルー・フーリン個人に忠誠を誓っている。
犬妖精であるクー・シーは、良く魔物のコボルトに間違えられる。双方とも、犬の獣人であるから仕方ない。妖精騎士団の一員であるリュカオンは、蒼い革鎧をつけた槍使いだ。
「早く見つけないと、妖魔の森へ迷い込んでしまうわ!」
と、ウンディーネのネイミー。
普段は人魚の姿をしているが、今は足がある。短時間なら人の姿を取ることもできる。全体的に水色の肌をした精霊だ。
妖精騎士団は妖精に限らず、精霊や一部の友好的な魔獣なども団の一員である。
これは行き場を失くした彼らを受け入れるために、ルーが取った措置であった。が、妖精騎士団に所属する以上、彼らには良い見本になってもらわなければならない。
一時期、教官として黒猫団長がルーズ・ブートキャンプを開いていた。
その時のあだ名が、ニャンコ先生である。
生まれ変わった騎士団員たちは、今日も今日とて任務に励むのであった。
今回の任務は、親とはぐれた仔竜の保護である。
「仔ドラゴンとて、帰巣本能はあろう?」
と、サミア爺。
「群れから離れすぎたら、帰りたくても匂いがわからなくなるかも知れないわ」
とは、シルフのエルアフィーヌである。先頃、先代のシルフの女王ファリサールが退位したので、今はシルフィードの女王見習いの身なのだが、正式に即位するまでには、十数年を要するらしい。風の精霊なので、基本的には気ままに生きるのかも知れない。
「かなり、怯えているはずよ。早く、保護しましょう!」
と、ドライアドのオルファ。
彼女は人間の女性の身体に、葉や枝などが巻きつき、植物でできたドレスを身にまとっている。
「合点承知! 早く、片づけて酒盛りするぞい!」
ドワーフのダルドムが、ジョッキを傾ける仕草をする。小柄でヒゲを生やした筋肉質の妖精が、鍛冶を得意とするドワーフ族である。背中にはハンマーを負っている。
「ここら辺って、レッドキャップが出るから、イヤなんだよな」
ピクシーのジールがつぶやく。
彼には、レッドキャップの集団から追い回された経験があり、トラウマになっている。
「呼ばれて飛び出て、ジャンジャカジャン!」
レッドキャップが現れた。
ヒャッハー、更新したぜ。
明日も仕事早いのに。
m(_ _)m
肩と腰が痛い。
ヒーリング・ミュージック スタート!
今の気分は、アンテナの 南の島の魚
ボサノバでござる。
イザベル・アンテナって歌手。
次点は、ジュヴェッタ・スティールのコーリング・ユーかな。
洋画 バグダッドカフェ の曲だった。
何か、海の中にいるような、懐かしい気持ちになる曲。
亡くなった母さんを思い出す。
(´;ω;`)




