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ゲイ・ボルグ 20
誰かが言った。
魔獣の究極の進化形態は、ドラゴンであると。
一部の高位の天使らは、ドラゴンが堕天した天使の成れの果てだと知っていた。
それも神に近い存在が、ドラゴン化する傾向があった。
堕天使のすべてがドラゴンへと変身するわけではなく、中には悪魔や特殊個体の魔獣などに変貌する者も居た。
もちろん、ドラゴンへと変貌するケースは堕天だけではなく、呪いもその一つである。
クー・フーリンの槍、ゲイ・ジャルク自体が呪いで構成された一種の特級呪物と言えるだろう。
また、バールゼフォンの魔剣テュルフィングも呪われた武器であり、ひと度鞘から抜かれると、誰かを殺すまで納刀できないという制約があった。
が、呪いは同時に強大な力をもたらす諸刃の剣なのだった。




