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ゲイ・ボルグ 16
マナナン産サーフボードこと、ルフトダスカーに付与魔法を施す作業が面白くなってきていた魔道王は、さらに彼らの血を一滴垂らし、所有者しか騎乗できないようにする。時間があれば、マナナンはありったけの付与魔法を織り込んでいたはずである。
兎にも角にも、テュフォーンとやり合う準備は整った。さらに細かい付与が施され、空中に短時間ならば停止できる能力が付けられた。
だが、敵は全長三十メートルにも及ぶ巨竜。しかも、オリハルコン並みの硬度を持つ竜鱗に、クー・フーリンのゲイ・ジャルクで太刀打ちできるかが、不安材料であった。
もちろん、アダマンタイト並みの強度をゲイ・ジャルクも有しているが、硬度的には実力伯仲と言ったところだろうか。
だが、やるしかない。
強い武器を持ち帰り、同胞を救わなければ。
中でも、アンデッドであるデュラハンの将軍たるデュランダルは、かなりの強敵だ。
(待っていてくれ、友らよ。私は絶対に戦局を覆す武器を持って、舞い戻る!)




