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ゲイ・ボルグ 13
今回、鍛冶神ゴブニュは、最強の武器を造るに当たって、かなりの難題をクー・フーリンに持ちかけていた。
ゴブニュのプランとしては、妖精王の槍であるゲイ・ジャルクに改良を加えるつもりであった。
ゲイ・ジャルク自体、凄い業物で槍身には世界樹ユグドラシルの枝から作られており、切っ先にはアダマンタイトが使われている。
中でも入手困難なのは、ヤマタノオロチの体内にあるヒヒイロカネである。竜の身体の中精製される鉱物は竜鉱と呼ばれ、ダイヤモンドの数十倍の硬度を有するのだった。
自然界で特殊鉱物であるヒヒイロカネを採掘するよりは、竜を退治して竜鉱を得る方が現実的と言えた。
オリハルコンも竜鉱の一つで、テュフォーンと呼ぶ、嵐を従えるドラゴンから取れるのだった。
リヴァイアサン退治の前に、テュフォーンの住処が近いこともあって、クー・フーリン一行は計画変更を余儀なくされた。
敵は、嵐竜王。
俗に、テンペスト・ドラゴンと呼ばれる特殊個体であった。




