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ゲイ・ボルグ 11
自身の行動が運命となる。それがクー・フーリンの息子に与えられた宿命。未だ、生まれて来ていない息子の将来を思って、妖精王は驚愕となった。
「もし、ご子息が望むならば、妖精界は滅亡の一途を辿るか、千年の至福を手に入れるかのどちらかでございましょう。運命の星は常に、破壊と創造の間を揺れ動いています」
「ティル・ナ・ノーグが滅ぶのも、栄えるのも息子の意志次第と!?」
クー・フーリンが、ラキシスに詰め寄る。
「その通りで、ございます……」
沈黙が大広間を支配する。
「なに、ティル・ナ・ノーグが滅亡すると決まったわけではあるまい。ご子息を正しく、導けばよいだけの話」
場を和ますように、マナナンが取りなす。
ラキシスは言いにくそうに、マナナンの方を向いた。
「マナナン様にも、ご子息との縁が見えます。近い将来、ご子息はマナナン様に魔法を師事なさるでしょう……」
「何じゃとおっ!!」
大広間にマナナンの絶叫が轟いた。




