表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

413/634

ゲイ・ボルグ 6

 模擬戦の舞台は、闘宮と呼ぶ場所で行なわれることとなった。

 光る石畳みはミスリルとオリハルコンの合金で造られ、中央には蒼い魔法陣がある。これには地盤強化や衝撃吸収や魔法相殺の術式が、綿密に組み込まれている。古竜クラスが暴れても丈夫な造りだ。

 ルールは相手に致命傷を与えるほどのダメージを一撃喰らわせるというものだった。瀕死の重症でも、マナナンの治癒魔法、妖精の治癒魔法、保険にエリクサーと準備は万全だ。

 二十メートルほどの間合いから、戦闘開始の合図があった。

 今回は出番のない、イルサンが審判役を務める。

 クー・フーリンは愛槍ゲイ・ジャルクを頭上で回し、いつでも突撃できる体勢を取る。

 マナナンの魔法を警戒してか、うかつには飛び込まない。

 逆に、マナナンに懐に入られたなら、槍が取り回しできず、攻撃を仕掛けられない。その時は、体術で相手を制圧しなければならないだろう。

 まずは、様子見である。

 魔道師マナナンは、人差し指に火を灯すと小さなファイヤーボールを放つ。

 即座にクーは、火球を切り捨てる。


「ふむ。やはり、このぐらいでは仕留められぬか」


(からかって、いるのか?)


 気を取り直して、妖精王は距離をつめ、必殺の突きを見舞う。

 またもや、小さなファイヤーボールが放たれ、クー・フーリンは切っ先で、それを払う。

 刹那――八匹の竜と化した火球が、あらゆる角度から妖精王に襲いかかる。

 クー・フーリンはゲイ・ジャルクを、一閃、二閃と振るい、火球を叩き落とす。

 が、最後の火球はクー・フーリンの足をかすめ、小さな火傷を負ってしまう。


「ほほっ、反応速度は及第点よの」


 ニヤリとマナナン・マクリールが笑う。

 即座にクー・フーリンは治癒魔法のキアンを発動し、火傷を治す。


「ほう、それが妖精の治癒魔法――実に、興味深い!」


 この時、クー・フーリンは冷や冷やしていた。

 妖精の治癒魔法を教えるとはいえ、使えるかどうかは分かっていなかったからだ。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ