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幕間――奪いし者、奪われし者 21
老グリフォンの心臓から、おびただしい量の血が流れ、地面に伝う。
「わしの孫に触れるな……」
ベルゼビュートは、息も絶えだえなガルフォンに気圧されていた。
(満身創痍のくせに、グリフォンのガキを庇いやがった……)
ベルゼビュートは、ほんの少し、グフを羨ましく思った。
家族に守られる。
彼の母親であるアスタロトは、ベルゼビュートが窮地に陥ろうが決して、助けはしないだろう。
目的は達した。
早いとこ、ガルフォンの細胞から能力を抽出し、魔界へと帰ろう。
ベルゼビュートは、ガルフォンの心臓を引っ張り出し、食べた。
すると、彼の背から猛禽の翼が生えた。
「ついに、グリフォンの飛翔能力を手に入れたぞ!」




