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アスタロトの探究 2
ベヒーモスは眼前のアスタロトを敵と認識した。まぁ、魔獣にとって大抵のものは敵なのだが。
突進に備え、ベヒーモスが後ろ足を踏み鳴らす。
アスタロトも両腕を交差させ、剛角の魔獣の突進に備える。
刹那――鈍重そうに見えたベヒーモスが、俊敏な動きで、アスタロトの至近距離に躍り出る。
丸太を連想させるベヒーモスの角は、アスタロトの両腕に炸裂し、天空高く巻き上げた!
ドガァアアアアン!
空中で、とんぼを切るアスタロト。
その顔には、苦悶の表情が浮かぶ。
「カルシウム不足かと思うくらい、両腕の骨が砕けたな。さすがは、ベヒーモスの突進と言ったところか」
何と、アスタロトの両腕は粉砕骨折していた。
が、紅の女帝は瞬時に骨折を治してしまう。
「次は機動力の検証だ。エウリュアレー!」




