表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/625

一週間前の出来事 12

 

 跳躍したチンの身体が真っ二つに裂け、中から食虫植物のツタが出現し、黒猫を絡め取る――かに見えたが、猫は高速でバックステップを繰り返し、事なきを得た。

 危なかった。

 初見での襲撃を見抜けなければ、捕獲されていたかも知れない。


「こいつは驚いた! 魔界の悪魔とは、体内に魔物を飼っているものなのか?」


「左様、高位の魔神ほど、複数の魔物を寄生させているのだ!」


 元のチンの姿に戻ったグラーシャ・ラボラスが、ドヤ顔で説明する。


「何のためだ!?」


 黒猫には、魔神が魔物を寄生させる理由がわからない。


「魔界とは、常に命を狙われる下剋上の世界! ゆえに体内に寄生させた魔物や悪魔などに、宿主が危険な時は警告させたり、戦闘に参加させたりしておるのよ!」


「ほう、魔界とはやはり、物騒な世界なのだな」


「ゆえに、わしら魔神は体内に魔物を飼う」


「フッ、精々寄生虫に身体を乗っ取られぬことだな」


「案ずるな。わしが寄生させておる食虫植物デアボリカとの相性はバッチリよ。そして、猫よ。これを食らえ!」


 チンが大口を開け、火炎を放つ!

 悪魔が放つ火炎の吐息なので、さしずめデーモン・ブレスと言ったところか。

 攻撃を予測していたルーは、ブレスを難なく回避する。


「火炎も吐くか。案外、スキルが多いのか」


 余裕の黒猫を前に、グラーシャ・ラボラスがニヤリとした笑みを浮かべる。


「〈ボタニカル・バインド〉!」


 ルーの背後に忍び寄っていたデアボリカのツタが、黒猫の首と四肢を拘束する。


「しまった! バインドかっ!?」

















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ