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少年バエル 12
ギュゾインを消滅する恐怖が襲った。
本能が奴には勝てないとささやく。
だが、一矢報いずに死ぬことはできない。
なぜなら、己れの軍団と闇精霊の仇だから。
「どうやら、ここまでのようだな」
「観念しちゃった? もう少し、やるとは思ったけど期待外れだね」
「フッ、ただでは死なぬさ。我が生命を対価に、貴様を呪い殺す!」
ギュゾインから呪殺の言葉が放たれる。
「しまった!?」
焦るバエル。
格下と思っていたギュゾインが、自身の生命をベットし、バエルに状態異常の罠を仕掛ける。
悪魔は追いつめられることで、ギフトを獲得することがある。
能力を得られなかったとしても、対価に生命という代償を払う攻撃は強力な一撃と化す。
しかし、ギュゾインの燃え尽きようとする生命を代価にした攻撃は、彼自身の身体を急激に損傷するというリスクもあった。
ギュゾインの身体が少しずつ、崩れてゆくに伴い、バエルが呼吸困難に陥り、吐血する。
「やってくれたな、ギュゾイン。この僕を呪うなんて……」




