367/632
少年バエル 3
「ガキのくせに、調子に乗ってんじゃねぇ!」
狐の頭部を持つ悪魔が、バエルへとトマホークを振り下ろす。
少年は慌てず、騒がず、使い魔に攻撃を任せる。
「フロッシュ!」
次の瞬間、左肩のカエルが酸弾を吐き出し、トマホークを溶かした。
「なっ、酸で武器を溶かしただと!?」
魔女の使い魔の定番に、カエルと黒猫がいるが、これらは戦闘向きではない。どちらかと言うとペットや伝言役の意味合いが強い。
強烈な酸弾を発射できる、このカエルの使い魔は相当な攻撃力を秘めているかも知れなかった。
酸弾を放ったフロッシュと呼ばれるカエルは、次に長く伸びる舌を狐悪魔の首に巻きつけ、ゴキリと骨を折り、無造作に死体を投げつける。
「使い魔に瞬殺される下級悪魔とか!」
バエルは笑い転げ、仲間を殺された悪魔らは色めき立った。
「野郎、カーネを殺りやがった。少しは、やるようだが、この人数なら楽勝だ。こいつを八つ裂きにしろ!」
「「「オオオッ!!」」」




