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ナンバーズの戦い 18
「ほう、機動力のある魔獣を召喚したか」
ムシュフシュを見つめながら、フラウロス。
「それだけではない。この鞭も、東洋の魔物・ハクメンコンモウキュウビから作られた逸品よ!」
白面金毛九尾の妖狐から作られた鞭は、黄金色に輝き、漆黒を基調としたゴモリーの服装にマッチしていた。
「何だ、それは。呪文か?」
赤い豹が訊いた。
「魔獣の正式名称だが、貴様を殺す呪文に聴こえるやも知れぬな」
ゴモリーがニヤリと笑うと、ムシュフシュへと騎乗し、妖狐の鞭を一閃する!
攻撃を見抜いていたフラウロスは、高く跳躍し、鞭を避けた。
が、二尾となった鞭が赤豹を打ち据える。
「バカな。鞭が分裂しただと!?」
「言い忘れていたが、フラウロス――この鞭は魔力を流し込むと、最大九尾まで増えるのさ!」
ゴモリーの勝ち誇った高笑いが、亜空間内に響くのだった。
「女の顔に傷をつけた怨み、高くつくぞ!」




