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一週間前の出来事 10
「ラボラス卿、現在の八大魔王衆は、どうなっている?」
黒猫は探りを入れる。
最近はアニメでも、スパイ活動が盛んだ。しかも、ファミリーや学園単位での。失恋したスパイの歌もある。
日本のエンタメ恐るべし。
(さすがに魔王衆の情報は渡さぬだろうな。渡したとしたら、掛け値なしのバカだな)
「む。知りたいか? 教えてやろう。八大魔王衆の一は、むろん東の王たるバールどのだ。二は、魔界の副王ルキフェルどの。三は、蝿の王と異名を取るベールゼブブどの。そして、四は、魔界の大公アスタロトどのだ。この上位四名が、四大実力者である!」
(バカがいた! 情報を洩らしてくれるのはありがたいが、大丈夫か魔界!?)
「ほう、そうそうたる顔ぶれだな」
黒猫が合いの手を打つ。
「さらに、五は、猛虎将軍マルコキアスどの。六は、剣帝アスモデウスどの。七は、魔界の蝶サルガタナスどの。そして、最後の八番目は、バールゼフォンさまだ!」
これで、グラーシャ・ラボラスの黒幕がバールゼフォンと判明した。
殿と様の違い。
どうやら、バールゼフォンとやらは優秀な部下には縁がないようだ。




