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ナンバーズの戦い 14
「フッ、パイモン卿と言えば、序列71位のダンタリアンに負けてから引きこもっているそうではないか。まぁ、序列9位が71位に敗北したのだ。さぞや、ナンバーズとしてのプライドもズタボロであろう?」
意地悪く、ゴモリーに問いかけるウヴァル。
「確かに、夫・パイモンは敗れたが貴様には関係なかろう」
「大有りですな。パイモン卿と私とでは、キャラが被るのですよ」
パイモンもウヴァルと同じく、ラクダの頭部を持つ悪魔である。これを期に、ウヴァルはパイモンを始末し、ゴモリーを我が物にせんと暗い欲望を抱いていた。
「それは、そちらの事情であろう。妾には関係なきこと」
「どうです、ゴモリー夫人。落ち目のパイモン卿を始末して、私の妻になりませんか?」
「断る! なぜならば妾は夫・パイモンを天よりも高く、海よりも深く愛しているからな。それに、さっきから本人を目の前にして罵詈雑言の数々――怒って良いのだぞ、パイモン!」
おもむろに、ゴモリーが騎乗していたラクダがいなないた。
何と、悪魔パイモンはゴモリーの騎乗したラクダだったのだ!




